「神戸大学の社会学-神戸大学は文系の大学か」

神戸大学は一般に「文系の大学」であると言われることが多い。その意味するところは文系の学部が強い、研究機関として優れているということである。神戸大学の場合は商業大学の流れを汲むという歴史的な側面から語られる場合も多いが、実際に研究機関として文系学部、特に法学部、経済学部、経営学部が優れているのか検証する。検証方法として、各学部に所属する教授の科研費の獲得状況を調べる。今回、検証材料として科研費の獲得状況を用いるのは日本のアカデミアにおいて最も一般的で幅広い領域をカバーしており、同じ領域の他の研究者と競争が行われているためである。具体的には神戸大学の研究者紹介システムで学部ごとに、教授に分類されている研究者について科研データベースで科研費の採択実績を調べ、それぞれのアカデミアでのキャリア年数の合計から一年あたりの科研費事業の採択回数の平均値を割り出した。アカデミアでのキャリア年数は科研データベースに記載されている所属の最も古い年度から2023年度までの年数とする。

学部

平均キャリア年数

基盤S(回)

基盤A(回)

基盤B(回)

基盤C(回)

21.04545

0.000000

0.000000

0.036717

0.12095

国際人間

21.46377

0.000675

0.006077

0.023633

0.099932

19.77500

0.000000

0.016435

0.035398

0.096081

経営

19.60000

0.000000

0.007289

0.046647

0.097668

経済

20.41379

0.000000

0.006757

0.020270

0.113176

農 

25.24138

0.000000

0.002732

0.079235

0.094262

25.5.000

0.001634

0.013072

0.073529

0.056373

25.22535

0.002233

0.012842

0.070910

0.074819